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Posted by namjai at

2014年09月25日

釣った魚にエサはやらない。

 

 先週の金曜日の事である。

 その日の午前中、いつものように店を営業していたところ、夫の電話が鳴った…。
何となく、そういう予感がしたのだが、断片的に聞こえて来る会話の内容から、誰かからのお誘いの電話で、これから出掛ける様子だった。

 電話が終わるといきなり、今は物置と化している3階に行って屋根の修理をすると言い出した。
そして、何だか「釣り竿も探して来る。」と言い残して、足早に上階に上って行き、しばらくすると釣り竿を下げて降りて来た。
 予想通り、その後いそいそとシャワーを浴び身支度をして、
「ちょっと、ピー•ウワン(隣人のウワンとは別人、闘鶏場の元締め)から呼び出されてさ…。出掛けて来るけど、大丈夫だよね。」
 と、別に大丈夫とも何とも言っていないのに、さっさと出掛ける用意をしている。

 まあ、こういう事はいつもの事で、やれ闘鶏場の会合だの、単に知り合いから昼食のお誘いで呼び出しが来ただので、出掛けるのは別に珍しくもないので、私も別に行き先を尋ねる気もなかった。
 
 普段から私一人に店番させても、平気で2、3時間の昼食(宴会?)に出掛ける事もままあるのだが、この日は毎週木曜日の夜帰省する長男が帰って来ていたので、平日で、まだ午後一時になったばかりだと言うのに、大手を振って悪びれる様子も無く出掛けてしまった…。

 
 さて、それから長男と二人で店番をしながら夕方近くになり、閉店時間も近づいた頃、珍しく外出先の夫から電話が来た。

 「あのさ、今ピー•ウワンの為に、薬買いに来てるんだけど、何か欲しいものある?」
というので、私は以前このブログにも書いた、毎日欠かさず3〜4個食べているケーオマンコンが無くなりそうだったので、買って来て貰おうと頼んだところ…。

 「ああ、それさ俺さっき見たら、1kgで35バーツもするんだよ。高いからさ〜。買いたくないんだよ。」と言うので、黙ってその話を聞いていた私は内心、
 「35バーツ?だからどうだって言うんだ?」と思っていた。

 確かに小さいとか、古くなったりとかで1kg10バーツくらいで売ってる事もあるし、基本的に時価だから時には新鮮な物でも20バーツくらいで買える事もある。

 でも、今はそれが35バーツになっただけの事。
何も100kgとか買って来いと言ってるんじゃない。
 せいぜい、一度に多く買っても4、5kg程度、普段より高めかも知れないが、5kg買ったとして75バーツほど高め、金額にしても200バーツにも満たないだろう。

 それが、何故買えない?
確かに、普段から変なところに細かい癖もある。
しかし、このピー•ウワンの為に、買い出しに行くガソリン代はあるくせに、私に75バーツ程度予算オーバーの果物を買っては来れないのだ。
 友達のためなら、何十kmでも厭わずお迎えに行き、往復何百kmも掛かる他県に車付きの運転手代わりになって上げる事も何とも思わないのに、このケーオマンコンを買う百バーツちょっとはもったいないのである。

 その時、私の心に少しだけ残っていた淡い期待が弾けて散った。

 確かに、夫にとっての世界一大事な人は『お母さん』であり、その他親戚友人もこの上ないくら大事にする事は十分承知している。
しかし私たち家族も、もしかしたら、お母さんの次くらいに入っているのかも知れない…と言う思いも、心の隅にあったのかも知れない。 

 まあ、私自身も夫に対してだいぶ冷めているから、お互いサマと言えばそれまでだが、家族となって愛情がただの情と言う感情だけになってしまっても、せめて相手を立てるような気遣いは残っていると思っていた。
 そういう『気遣い』と言う遠慮のような感情が、日本人である私とタイ人である夫のギャップかも知れない。

 何だか、その欲しかった物を断られた事と、その日釣りに行ったと言う夫の行動と相まって、思わず『釣った魚にエサは遣らない。』と言う言葉を思い出した。

 そう言えば先日、どこかに行って上機嫌で帰って来た夫が、どこかで金でも見て来たらしく「そのうちお金に余裕が出る時期が来たら、金のネックレスを買ってやるからつけてよ。」と言った事があったが、私ははっきり言って、金の装飾品など欲しくもない。
 そういう他人に見せびらかすような物を買い与えて身につけさせて、「自分は奥さんの事を大事にしている。」とでも皆に思わせたいのだろうか…などと邪推をしてしまう。

 そしてその翌日、前日の昼間からの仕事サボりと、翌日にまた自分の趣味で闘鶏場通いをする事に罪悪感を感じたのか、夕方閉店後に、家族を食事に連れて行くと言い出した。

 実際、私も子供たちもあまり食にこだわらないので、わざわざ食事の為に出掛けるのは面倒くさいとしか思っていないのだが、ここはせっかくの夫の思いつきに気を遣って、何も言わずついて行った。

 食事の前についでに買い出しもしたのだが、そこで昨日夫が言っていた、1kg35バーツのケーオマンコンを目の当たりにしたのだった。
 しかし、目の前に探し求めていたその物があるのに、昨日「35バーツは高い。」と言って買ってくれなかった夫の言葉を思い出し、そこは涙を飲んで我慢した。
そして、この先ケーオマンコンは意地でも食するまい…と心に誓ったのだった。

 たかがケーオマンコン如きに何を大げさな…と思われるかも知れない。
だが、あの電話での数秒のやり取りが、私と夫の心の溝を更に深めたのだ…と私にはそう感じられたのである。
 平穏な家庭生活はこのまま続くだろうが、私の心の中には更に深いわだかまりが生まれたのだった。

   

Posted by バットニャオ@第二期 at 02:16Comments(12)つぶやき