2014年09月14日
賭博人生の末路。
今日は日曜日。
週末毎にコラートから帰省する長男が居るのをいいことに、土日はすっかり闘鶏場通いが日課となった夫は、今日も朝9時前には家を出て行った。
まあ、居ないものは仕方ないので、元から当てにもせずに、長男と店番をしていた。
そうして昼近くになって、数人の接客をしていたところ、店の入り口で大声を張り上げて、「おーい!ご主人はいるかい?」と叫んでいる。
私が「出掛けていて居ないですよ。」と応えると、「じゃあ、すぐに連絡取ってくれ。電気局のケンさんが、拳銃で自殺したんだよ。」と言う事だった。
そのケンさんと言うのは、夫の従兄弟の一人なのだが、たまたまこのノンブアラウェーの電気局で働いていて、同じ市内に居住していると言うことで、うちの夫に何度も現金を借りに来たりして、何かと頼られていたのだった。
つい先日も、いきなり電話が掛かって来たと思ったら、そのケンさんの奥さんが店に現れて、当然のようにお金を受け取りに来たばかりだった…。
なんでも、裁判に出廷するからお金が必要なのだとか…。
そして、来週返すと言う約束だったが、すでに2週間が経とうとしていたところだった。
その奥さんは、以前『イサーンに埋没中』の中にも、書いたことがあったが、家まで建ててくれると言う初老のファランの旦那を捨てて、このケンと言う男と一緒になった…と言う、タイ人女性だった。
やはり、お金があっても大して言葉も通じない相手に満足出来なかったのだろう…。
と言うわけで、静かなはずだった日曜日の昼下がりが、先程から、事件を聞いた何人もの親戚が訪ねて来て、だいぶ煩わしさを見せている。
しかし、彼らが訪ねたい当の本人の夫は、まだまだ闘鶏場から戻る様子もないが…。
今回の事件の張本人ケンと言う男は、大事業家として、この辺りで有名な兄と違って、何とかコネで電気局に入れたものの、賭博好きで、前妻に愛想を尽かされ、これで2度目の結婚だったが、やはり賭博癖は直らず、ムエタイやサッカーなどのスポーツ系の賭博を中心に遊んでいて、借金は100万バーツ以上と言われていた。
実は、前にも自殺騒動と言うか、借金に困って、拳銃で自殺する…と奥さんに漏らしてはいたと言うが、どうせそれを奥さんからうちの夫に知らせて、同情を引こうとしているのだろう…くらいに思っていたのだった。
全く同情の念も湧かない私に、彼の心情など分かるはずもないのだが、何故そこまでして賭博をするのか…。
元々、宝くじなども全く興味が無いし、運とか棚ぼたでお金が手に入ると言う思考がない私には、全く理解出来ない世界である。