インバウンドでタイ人を集客! 事例多数で万全の用意 [PR]
ナムジャイブログ
ブログポータルサイト「ナムジャイ.CC」 › イサーンで営業中

2014年10月08日

懐かしの香り…。

 先週の土曜日の早朝の事である。

 いつも通り、朝の6時過ぎから店を開けていると、いつもその辺で警備員もどきをやっているおじさん(私より少し年上くらいだが…)が、バイクに乗って店の前に乗り付けた。

 何事かと思っていると、おもむろに「旦那はいるかい? 今日、破傷風と百日咳の予防接種をやるから、午前中に公会堂に行くように伝えてくれ。あ、そうだあんたも、住民票はあるかい? あれば接種出来るから、行くようにな。それと、この家は他に20歳以上の人はいるかい? いればその人も行くように言ってくれ。午前中だよ。昼で医者が帰っちまうからな。」と捲し立てるだけ捲し立てて去って行った。


 普通、こういう事は地域のスピーカーから流れる広報などで予め知らされるはずだが、急遽決まったのか、そのバイクで伝達して回っているおじさんは、まるで戦場を回る伝令のようだった。


 しばらくすると、市場に行っていた夫が帰って来たのでその事を伝えたので、夫から順に出掛けた。

 私は、今年20歳になっている長男の運転するバイクの後ろに乗って、初めての長男との二人乗りに胸をときめかせていた。(普段は店があるので長男と二人きりで相乗りする機会が無かった。)


 私はこの公会堂は初めてだったので、場所も知らなかったのだが、以前父親と選挙に行っていた長男が会場を知っていたので迷わず到着した。

 会場に着くと、その辺の村人たちに混じって、私の店の客として顔見知りの人もちらほらいた。


 それでも、着いてすぐ問診票の記入のための質疑応答と血圧検査などに入れたので、設置された会場の椅子に座っているほとんどの人は、すでに予防接種が完了して、暇つぶしに、井戸端会議をしているだけなんだな…と気がついた。


 受付では普通のタイ人ならIDカードを提示する事になっているのだが、私は外国人なのでIDカードがないため、先に行って聞いて来た夫に言われた通り、住民票と運転免許証を提示して受付を済ませた。


 すると受付の女性が、隣の市で看護婦をしている義姉と知り合いだったらしく、「ああ、あなたが日本人のお嫁さんでしょ? ノイさん(義姉のあだ名)から聞いてるよ。」
 などと話しかけられて、必死に作り笑いをして話を合わせたのだった。

 そうこうしているうちに私の順番になり、とりあえず予防接種を済ませた。

 次に、私の後から来た長男の番だったが、私の話題で盛り上がっている看護婦さんたちは、長男の腕に注射針を刺したまま、今度は私と長男の話題で話が弾み、私の2倍の時間を掛けて、ようやく長男の腕から注射針を抜いたのだった。

 横にいた私は、その様子に冷や汗を流しながら、「おいおい、そういう事は注射終わってから話してよ。」と思いながらもただ見守るしかなかった。




 先に行って来た、夫や隣の義姉から、「大して痛くない、蟻に噛まれた方が痛いくらいだよ。」と聞いていたのに、帰り道ですでに腕が重くなり、家に着く頃には鈍痛も感じだした。

 それで、ネットで調べてみたら、「破傷風の予防接種では筋肉痛のような痛みが副作用として出る場合が多い。」というような事が書かれていた。

 夫は普段からあまり仕事をしないからか、それほど痛いとも言わなかったが、私と長男は帰宅後徐々に痛みが増し、腕を上げるのも痛みが伴うようになってしまった。


 その日の夕方、ちょうど長女を受験のための補習を受けている長女を迎えに行って、久々の買い出しを予定していた私は、運転の際にハンドルを握るのさえ腕がだるくて仕方が無かった。

 すると、車に乗って来た長女が、「これ貼れば? 私も注射で痛くなったときとかに貼ってるよ。」

と、鞄からまさにトクホンの匂いのする湿布薬出してくれた。

 私は、「ええ? 筋肉痛とかじゃないよ。」と一応遠慮して見たが、長女があまりにも勧めるので、仕方なく貼ってみた。

懐かしの香り…。



懐かしの香り…。




 「注射なんかにこういうのが効くの?」と確かに騙されたと思って、試しに貼ってみた私だったが、気のせいか、しばらくすると腕のだるさがだいぶ良くなった気がした。
 
 チャイヤプム市街までの運転中に、だいぶマシになったのである。


 そこで家に戻ってから、留守番していた長男にもこの湿布薬を勧め、この数日これを愛用している。

 すでに予防接種から3日経ったが、まだ少し筋肉痛に似た痛みが残っているからである。

 
 私は、この手の湿布薬を今まであえて避けて来た。
それは、この手の湿布薬の匂いが、幼い頃いつも一緒に寝ていた祖母を思い出させるからである。

 何となく、これは「おばあちゃんの匂い」なのだと言う感覚がつきまとっていて、自分自身は使用しようと思った事がなかったのである。

 それを、すでに小学生の頃から愛用していた長女に勧められて貼る事になった。

 長女も、初めてこれを使った長男もこの匂いをこう表現した。

 「ヤー・モン(タイガーバームなどのメンソール系の塗薬)の匂いだ。」

 さすがは、タイ育ち。

 タイ人にとっては、「トクホンの匂い」ではなく、「ヤー・モンの匂い」なのだと、改めて納得させられた。


 タイ人がよく鼻に突っ込んでいる、ヤー・ドム(鼻で嗅ぐためのスティック状ヤー・モン)も、この系統の匂いなので、この匂い自体がタイ人にとって、とても馴染み深い匂いなのだと言える。

 それこそ、私が郷愁を感じる「おばあちゃんの匂い」ではなく、タイ人にとっては、物心つく前から周囲の大人が常用するため、自然と嗅覚に染み込まされた、ごく当たり前の匂いなのだろう。







同じカテゴリー(タイの日常)の記事
朝の訪問者
朝の訪問者(2023-09-05 22:00)

タイのATM
タイのATM(2023-08-20 01:16)

セルフカット
セルフカット(2022-01-27 00:03)

キノコ祭り
キノコ祭り(2021-11-11 00:54)


Posted by バットニャオ@第二期 at 01:48│Comments(6)タイの日常
この記事へのコメント
そうそう、昔、よく年寄りが貼ってたよね、トクホン。なんか貧乏くさい匂いで好きでなかった。メンタムとか仁丹とかの匂いきらいだわ。なので、タイ人が鼻につっこんでる姿も好きでない。 へーー。そういう予防注射があるんだ~ ホアヒン、昨日も今日も強い雨が降ってて洪水になりそうだよ。住んでるとこが低い土地なんで、床上浸水が心配で ゆうべは下においてるものを高い位置にあげたりしたよ。でも、今んとこ大丈夫。
Posted by ユッキー at 2014年10月08日 05:48
タイでは注射をしたことが無いと思います。
注射ではありませんが、献血をしたことがあります。
お坊さん達が行くというので私も参加、チョット不安でしたけれど・・・。
サザエも行きましたが血液が薄いということでNG、私はOK。
ついでにエイズのチェックしてくれて、後日通知がきました。

タイのヤーモンの匂いは好きです。
今でも日本でたまに嗅いでいます。(笑)
Posted by ドラえもん at 2014年10月09日 10:53
破傷風の注射は確かにかなり長い間痛みます。私も去年やりましたので...。

3回注射しないと効果がでないらしいので、あと2回ですね。がんばってください~。
Posted by C&Y TRADING.COMC&Y TRADING.COM at 2014年10月12日 17:29
ユッキーさん、こんばんは。

床下浸水大丈夫でしたか?
ユッキーさんもトクホンの匂い嫌いなんですね。
私は「おばあちゃんの匂い」と言う感慨に浸るだけですが、自分が付けるとまだちょっと抵抗あります。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年10月13日 23:46
ドラえもんさん、こんばんは。
タイで献血したんですね〜。
結構、勇気が要りますね。
我が家の子供たちは、それぞれ学校などで献血したようですが、献血証としてバッジを貰って帰って来ました。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年10月13日 23:50
Nappyさん、こんばんは。
この集団接種でも、やっぱり3回なんですよね、きっと。
ネットの検索でも、みなさん「痛い」の一言でした。
次も、またあのおじさんが伝令に来るのかな…?と密かに思っています。
結構痛みが長引いたので、憂鬱です。
何しろ、身体が資本の肉体労働なもので…。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年10月13日 23:56
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。