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2014年11月12日

Japan qualityの幻想

 先日書いた記事の中で、先週の日曜日に長男の新学期に伴い、オートバイなどを大学の寮まで運ぶ必要があるので、店を半休にしてコラートまで久しぶりに出掛けて来た…と言う事を書いた。

 以前は、トラクターの部品の仕入れも兼ねて、月に一度程度は出掛けていたコラートだったが、最近はその仕入れはバンコクの業者に直接注文するようになったのと、私自身が重度の引き篭もりになってしまったので、もう一年近く出掛けていなかったと思う。

 だが今回は、先学期の自転車での学内移動では夜中の講義が受けられなかったと言う長男が、オートバイを持って行く事を希望したので、それに乗じて久々の家族サービスに日本食レストランでご馳走しようと言う夫の思惑が重なり、「家族揃ってコラートに行こう。」と言う事になった。

 
 私は、別に楽しみがあった訳でもなかったが、強いて言えば、THE MALLに入っているヤマザキパンで、日本と変わらないパンを買いたいと言うのと、やはりTHE MALLの中にあるスーパーで、チャイヤプムでは手に入らない日本からの輸入食品を買いたいと言う目的があった。 

 そしてそこで手に入れたのが、これ。

Japan qualityの幻想

 これは、たまに一緒に作っている型抜きクッキーが大好きなミックが、クッキーの型のレパートリーを増やそうと目敏く見つけた物だ。
 おそらく日本で言えば百円ショップなどのレベルの商品なのだろうが、タイでもここイサーンの田舎では、バンコクには進出している「ダイソー」などはないので、ここでしか見つけられない掘り出し物である。

Japan qualityの幻想

 そしてこれが私の今回の掘り出し物。
もうタイでのお弁当作りも十年以上になるが、いつも日本のお弁当のようにきれいなお弁当を作って上げたいと言うのが長年の夢だった。
 何しろ、タイ人の作るお弁当と言えば、普通にご飯を入れて上におかずを載せただけの打っ掛けご飯だったり、あるいは上半分が赤い油で埋まっている辛い炒め物や汁物類をビニール袋に入れて持って来て、やはりご飯に打っ掛ける…と言うパターンである。
 それでなければ、タイ人弁当の王道、「カオニャオ&ガイヤーン」(蒸し餅米と焼き鳥)か、「カオニャオ&ムウピン」(蒸し餅米と豚の串焼き)である。

 子供たちが言うには、タイの子供たちのほとんどはこの「カオニャオ&…」のご飯セットを、朝から食べていると言う。
中には、幼稚園から高校を卒業するまで、朝ご飯と昼ご飯がこの「カオニャオセット」だったと言う子供も少なくない。
 
 タイの母親たちは、一体何をしているのか…?と思うが、働く女性が多いタイの母親は、子供のお弁当作りに掛ける時間があったら、貴重な睡眠時間に充てたいと言うことらしい。
 そして、タイの社会もそういう母親を応援するように、朝早くからこうした食べ物を売る屋台が道端に並んでいる。
 
 しかし私はやはり日本人なので、大事な子供たちにそんな食生活をさせるくらいなら、自分の睡眠時間を削ってでも…と思い、毎朝4時半起きでお弁当作りに勤しんでいる。

 ずいぶん話が逸れたが、ネットの料理サイトなどで、「明日のお弁当のおかず何にしよう…。」などと見ていると、必ず可愛いお弁当箱にきれいに詰め込まれた見本のようなお弁当が目に入る。
 キャラ弁とまでは行かなくても、せめて見た目にも食欲をそそるような物が作りたいと思っていたが、ここで手に入る材料ではやはりタイ式の「おかず打っ掛け弁当」のおかずの種類が少し増えた程度の物しか出来なかった。

 そして、タイの弁当に慣れている子供たちの詰め方も、ご飯の上に乗せるだけのもので、せっかくいろいろお弁当の研究をしても、今ひとつ味気ないお弁当に終わっていた。

 それでいつも欲しいと思っていたのが、このお弁当の仕切りのカップである。
私は、アルミホイルで出来たカップしか知らなかったのだが、今回見つけたものはカラフルなシリコン製で、何度でも洗って繰り返し使えるのが素晴らしい。
年に数回、日本からの応援物資を運んでくれる友人に頼もうと思ったこともあったのだが、まあどうしても…と言うものでもないし、何しろアルミホイルは使い捨てなので、頼んでいたらキリがないと思って諦めていたのだった。
 
 こういう日本風の便利品を手に入れられて、久々のコラートも無駄ではなかった…と思っていた。


  ところが今回入手した物の中で、このお弁当箱用に買った保存容器に、見事に期待を裏切られてしまった。

Japan qualityの幻想

 これは、二つ組で売っていた保存容器で、値段が69バーツと言う物だった。
下のカタログでは参考上代が200円となっているが、おそらく100円ショップに並んでいる程度の商品かも知れない。
だが、選んだのは値段ではなく、大きさが長女が持って行くのにちょうど良く、色もきれいだったので買ったのだが、何と使用したその日の昼食前に蓋に割れ目が入ってしまっていた。
もちろん、何か重い物を乗せたとかではなく、昼にお弁当を食べようと取り出したら、自然にヒビが入って割れていた…と言う事だった。
 確かに値段も安かったので、諦めればいい事なのだろうが、せっかく日本のメーカーの保存容器を買ったのに…と言う、何とも言えない残念さが残った。
もし、百円ショップの商品だとしても、買って使ったその日に割れてしまったのでは、いくら安くても納得が行かないだろう。
 
 私がこれを買ったのは、先ほど書いたような色や大きさの都合もあったが、容器の裏に「サナダ精工株式会社」と言う日本の製造元がしっかり記されていたからだった。
 私はその文字に当然の「Japan quality」を期待していたのである。

 その日、開けたらひび割れていたお弁当箱に驚いた長女が、学校から「新しいお弁当箱が割れちゃった。」と訴えて来たので、私はその日のうちにネットで製造元のサイトにアクセスし、「お問い合わせ」のページから、この状況を訴えた。

 私は純粋に、こうなった原因を知りたかったし、それが分かれば二つ組だったので、もう一つ残っている容器を気をつけて使えると考えたのだった。

Japan qualityの幻想

 これが、そのメーカーのサイトに載っていた私が買って来た保存容器のカタログだった。
D-5796と言う規格品の黄緑色の商品である。

 そして翌日、問い合わせの返信が届いた。
それにはこう書いてあった。

「お問い合わせ頂きまして有り難う御座います。
フィットインパック600の蓋の件でご迷惑をお掛けしまして誠に申し訳ございません。
フィットインパックは、容器の密封度を上げるために、蓋と本体の接触部を他社メーカー様よりもきつく作っております。
少しの変形や歪みが蓋の開閉時に亀裂が入ってしまう可能性があります。
申し訳ございませんが、宜しくお願い申し上げます。」


 私は正直言って、この回答に呆然とした。
何を「宜しくお願い」されるのだろう?

 まだまともに使ってもいないうちから、使用不可能になっては不良品ではないのだろうか?
これが使い捨ての旅行用パンツとか言うのならまだ分かる。

 ここまで自覚があるのに、それをまだ市場に送り出している事が理解出来ない。
普通、不具合があればメーカーが改良するなり、回収して販売中止するなりするのが、日本の常識ではなかったのか?

 これでは、タイと変わらない。
 昔、タイに来たばかりの頃に冷蔵庫を買って、その棚のガラスが数ヶ月で割れてしまって、シャープの製品だったので現地法人の会社にクレームの電話を入れたら、応対したお姉さんに、「それはあなたが重い物を乗せたからでしょう。」と即答で言われてしまったのを思い出す。
 別に、私は鉛の塊や漬物石を乗せた訳ではない。
普通に冷蔵庫に保存するべき物を入れていただけである。

 それ以来、タイでは消費者に対して責任を取らない、と言うのが私の中での常識になった。
だから、賞味期限前に飲もうとしたら、すっかりヨーグルト状態になっていた牛乳や、買って来て飲もうとしたら、発酵していたオレンジジュースなども、「運が悪かった…」と諦めて処分する事を覚えた。

 しかし、今回買って来たのが日本のメーカーの商品だったので、クレームの対応に当然のように期待をしてしまっていたのだ。
別に商品を取り替えろと言うのではない、せめて使用上の注意のような、対処法を示して欲しかった。
その程度の責任を見せて欲しかっただけなのである。
 それが、この回答では、「まあ、こういう物なので仕様がないんですよ。わかってくださいよ。」と言う何とも投げやりと言うか、無責任な回答にしか思えず、これが日本のメーカーの対応か?とがっかりしたのだった。

 それとも、長く日本を離れているうちに、私自身が日本と言う国を美化し過ぎて、「Japan quality」に幻想を抱いてしまっているだけに過ぎないのか…。

 
 そうして、クレームの対応メールにあった、「可能性がある」と言う言葉ににかけて、「今度は割れないかも知れない可能性もある」と言い聞かせて、その翌日にまた長女に二つ組の残りの新しいお弁当箱を持たせた。
 結果は…。

 見事に、その翌日にまた亀裂が入っていた。
しかも、今度は思い切り縦横断する形に…。
 
 結局、下のみ無事に残ったその二つの保存容器は、我が家で「簡易受け皿」として生き延びて行く事になったのである。




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Posted by バットニャオ@第二期 at 02:03│Comments(14)つぶやき
この記事へのコメント
まちこちゃん いま、夜中の1時半になるとこです。7時に寝入ったもので、こういう時間に一回起きるわけ。ちょっとネットサーフィンしてから また、寝ます。 ホアヒンにはダイドーがあるよ。60バーツね。あんまし買うものないけど 洗剤つけずに水だけでステンレスやカップなんかがきれいになるスポンジ、ころころころがしてゴミを取るローラー、このふたつは買い続けてる。 まちこちゃん その割れたふた、残念だったわね。じゃあ、今は、本体のほうだけ物入れとして使ってるわけね。ね、せっかくコラートで買ったのにね。でも、ま、しょうがないや!で済ますしかないよ。お弁当つくり、がんばってるね。いろいろカラフルなおかず、作ってあげてちょうだい。それでは、またね♪
Posted by ユッキー at 2014年11月12日 03:32
うーん。もう設計段階での不良みたいですね。

はめこみ寸法 を きつく設計した。

それと今は、製造段階でも問題があるようです。

世界一の製造職人だった日本の現場労働者が定年引退したあとは、ブラジルの日系人とか派遣労働者とか、メイド・イン・ジャパンの評価も怪しくなっています。

業務連絡です。ブログ更新しました。お遊びにきてください。
Posted by ヒデちゃん at 2014年11月12日 08:18
はじめまして。

今はどこもそんなもんですね。
問い合わせても、木で鼻をくくったような回答しかこないことが多いです。何の調査も改善もしないようです。

日本も安くなったのでそんなことにコストをかけていられないのかと解釈しています。
Posted by ゆう at 2014年11月12日 11:32
デジカメなんかでも、こういう症状がみられるんですが?とクレーム前段階の質問なんかすると、「それは仕様です」なんて言いかえされる話はよく目にしました。
「日進月歩なんだから、工業製品に完全なものはない」という論理でしょう。
自動車なんかも同じようなもんで、アメリカでホンダのフィットが数回リコールを受けてひんしゅく買ってますが、競争ゆえの見切り発車ってことは多いでしょうね。

このタッパー風のケースですが、明らかに材料をケチってますね。
値段が値段だから文句言うな的な印象を受けましたが、チェンマイで本物タッパーを買うと、日本よりも高いんじゃないか?という値段設定ですから、なるべく現地生産のプラケースで我慢している私です。

私も週一は子供たちに日本風の弁当を作るのですが、長男には弁当箱はダイソーの65バーツ? 長女には日本で購入したアナ雪の絵柄を使っています。
三年近くやってますが、今のところは完食でカラ箱が帰ってきます。飽きられないようにオカズネタ探しでたいへんですよね=^_^=
Posted by muga at 2014年11月12日 12:03
★その程度の価格のプラスチック製品はその程度の品質です。
ジャパンクオリティーって、車もリコールされますから。
Posted by 隠密老人 at 2014年11月13日 00:41
皆さんが言われているように、価格からいって仕方ないんでしょうが、メーカーからの回答にカチッとしますね。
私もメイドイン・ジャパンの信者ですが、全てを日本で作っているものは値段が高いです。
品質はいいですけれどなかなか買えません。
先日、メイドイン・ジャパンのTシャツを買いましたが、定価は2000円でした。もちろんバーゲンで安く買いましたが・・・。
品質は安物と全然違います。
Posted by ドラえもん at 2014年11月14日 07:02
ユッキーさん、こんばんは。
ダイソーがあるんですか!
さすがは、外国人居住者が多い場所ですね。
以前訪れた時、街の外観がおしゃれなのと、西洋系の外国人がそこここに歩いていたので驚きました。
確かに、何が…と言う目的があるわけでなくても、ダイソーみたいなお店って、つい色々見て長居してしまいますよね。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月16日 22:52
ヒデさん、こんばんは。
そういう事が分かっているのに、何故直さない?と思ってしまったんですよね、この回答に…。
まあ、不良品として回収したり作り直したりすると、それだけ会社の不利益になるのでしょうが、このままの状態で売り続けて行くのも、会社の信用とかに関わらないのか?と思いますが…。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月16日 23:04
ゆうさん、はじめまして。
そうなんですね…。
日本を離れて久しいので、最近の日本事情に疎くなっているせいかも知れません。
私の中では、クレームに対して、「責任を持ち、親切な対応で、善処する」日本の企業のイメージが残っているのですね。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月16日 23:08
mugaさん、こんばんは。
すごいですね!週一で、日本風のお弁当を作られるとは。
タッパーの件は、私も値段が値段だから、クオリティーがどうの…と言う問題ではないかとも思ったんですが、仮にも裏に日本の会社名があって、それがネットのカタログでも見られたので、これだけきちんと製品として販売しているのなら、そういう責任感もあって当然…と言う思い込みがあったのですね。
以前は、タラートのプラスティック屋で買った1個10バーツで済ませてたので、この値段もそれに比べれば、それなりに高いので、下ろしたその日に割れたのがショックだったのです。
10バーツのプラ容器は、半透明で使っているうちに多少変色しますが、未だに壊れずに使えてますからね。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月16日 23:18
隠密老人さん、こんばんは。
確かに、クオリティーを求めるほどの値段ではないと思ってはいたのですが、上にも書いたように、タラートで買った10バーツの容器に品質が劣るとなると…ちょっと考えました。
もちろん、車のリコールとは次元が違いますけどね。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月16日 23:22
ドラえもんさん、こんばんは。
別に「made in japan」でなくてもいいんですが、と言うより日本製はほとんど探せないと思っているくらいで、日本から輸入されても、製造元は中国と言うのが当然の事のように理解しているのですが、それでも、日本の基準を通っているのが信頼出来る理由なのだと思います。
それにしても、Tシャツの日本製ってすごいですね。
何だか、高級Tシャツって感じです。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月16日 23:27
日本で売ってるけど、日本製じゃなかったのか、日本だけど国籍違う人(オーナー)の会社のものなのか…。
結構言い訳増えてますよね、日本も。
Posted by C&Y TRADING.COMC&Y TRADING.COM at 2014年11月23日 20:21
「埋没中」最近見ないな~と思ってましたが、こちらで営業中でしたか。早速読者登録しました。

ところで、この製品、全く同じものを使っています。
2個セットで100円ぐらいで買ったと思います。
週に一度くらい使用して、何か月にもなりますが、壊れていません。
まさか、タイ人向けにテキトーなのを選んで出荷しているとか・・・?
Posted by kenshin at 2014年12月23日 11:43
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