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2014年11月07日

ローイクラトンに思う。

 今日(日本時間では昨日ですが…)はローイクラトンでした。

 昨日の夕方、末っ子のミックが何やら紙切れにメモを書き始めました。
「ねえメー(私の事)、クルワイ(バナナ)ってコーカイ(鶏のコー)の次に何て書くんだっけ?」
と聞いて来たので、何事かと思ったら、今日のローイクラトンの為に学校で手作りのカトンを作るための材料を、書いていたのです。
  
 それを、昨夜義母の所に行った帰りに、そのままチャイヤプム市内へと繰り出して、友人と遊んで朝帰りだったため、午後から居間の真ん中ですっかり眠りこけている父親に貼付けておきました。

 さて朝が来て、これでもかと眠り続けた末にようやく起きた父親が、昨日の所業を反省してか、いそいそとバナナの幹と葉を用意してくれました。

ローイクラトンに思う。

ローイクラトンに思う。

 それをビニール袋に入れて学校へ持って行き、ほぼ丸一日授業そっちのけで製作した作品がこれです。

ローイクラトンに思う。

 本人は、何時間も掛けてやっと出来たのに、流してしまうのはもったいない…と最後まで惜しそうにしていました。

ローイクラトンに思う。
 それでも、最後には流す事に…。

ローイクラトンに思う。

 だいぶ、岸から離れて行きました。

 さて、このバナナの幹と葉を使って作るカトンは、私が学生時代にパタニーに留学していた時も授業で作った事もあるくらいで、昔ながらの自然の材料を用いたカトンです。
 しかし、私が覚えている限りでは、長男や長女が小学生だった頃は、この手の自然材料を使ったカトン作りよりも先生が率先して、発砲スチロールの土台に色とりどりの花紙を使った、軽くて値段も手頃なカトン作りが主流でした。

 このカトンの良いところは、

1、材料を探す手間がいらない(文房具店で売っている、もしくは先生が一括購入して来て、学校で販売する。)。
2、発泡スチロールの土台に、紙を貼付けるだけで、簡単に製作出来る。
3、軽いので絶対に浮く、沈む心配がない。

 などで、かなり長い間、このカトンが学校で製作するカトンの主流だった時期がありました。

 しかしここ数年、外国からの影響で、タイにも名ばかりのエコブームが到来し、カトン作りにも「昔ながらの自然材料を使ったカトン」が蘇りました。
それが、ここ数年の「昔ながらのバナナカトン」や、花の形に焼き上げたパンにろうそくとお線香をブスブスと刺した「パンカトン」などの、自然に帰る材料で作ったカトンの復活になったのです。

 ここで、カトンの話から逸れますが、このタイの「なんちゃってエコブーム」、私には「タイでエコなんて無理無理…。」としか思えないのです。

 外国の世論に影響された一部の学識者層が盛んにエコを叫んでも、タイのほとんどを占める庶民層には、はっきり言って全く届いていません。

 買い物をして、手で持てば済むくらいの物でも、わざわざ買い物袋を要求する人々。
 タイで当たり前の、道端や市場で売っている練り物や肉団子、焼き豚などの軽食類の買い食いや、袋や紙コップ入りのジュースなどを飲食しながら、食べた後は何の躊躇も無く、道路上でもどこでもポイ捨てする人々。
 暑いからと、エンジンを掛けたままで何時間でも駐車している人々。

 こういう生活が当たり前に馴染んだタイで、エコに対する努力が出来ない一番の原因は、「自分が良ければ良い。」と言う、タイ人の性格にあると思うのです。

 スポーツも個人競技は良くても、団体競技は苦手と言うのがそれを物語っているでしょう。
例えば、よくCMで流れている、みんなで力を合わせてエンストした車を押したり…と言う「一瞬の仲間意識」はあっても、長い間自分を抑えて協力し合うと言う、協調性の持久力が無いのです。
 
 基本的に個人主義な人々なので、エコのようなすぐに結果の出ない、地道な活動には向いていないのでしょう。

 と、今朝夫が切って来たバナナの幹や葉を見ながら、こんな事を思った訳です。

 それに、せっかくエコの為に…と自然材料のカトンに戻ったのはいいものの、毎年この「ローイクラトン」の為に伐採されるバナナの樹は、タイ全体では一体どれくらいになるのだろう?と言う疑問が湧きました。

 それこそ、半端な数ではないだろうし、それだったら発砲スチロールのカトンを流して、後始末で河川や沼のゴミ浚いをしっかりした方が、よほど地球環境の為になるのでは?などと考えてしまいます。

ローイクラトンに思う。

 そんなことを考えながら、今日はしみじみと道端のバナナの樹を眺めていました。


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Posted by バットニャオ@第二期 at 01:48│Comments(8)タイの学校と子供
この記事へのコメント
まちこちゃん おはよ♪ ローイクラトン、初めてホアヒンに来た年に近所の川に流しただけで そのあと、やったことない。ひとりで川に行ってもつまらないしね。 で、エコのことですが ね~ そこらで買ったもの ぜーんぶビニール袋に入れるよね。それを道端に捨てる。道の両サイドはビニール袋の花が咲いたようです。まったくね。困ったもんです。市場に買いに行きますが あたしだけです 買い物かご持って行くのは。ビニール袋に入れられちゃうまえに、ここに入れて!って、カゴを見せる。輪ゴムでキッチリとめてあって、それをはずすのに一苦労するソース類は マイアオなのでもらいません。もう、市場では、あの買い物カゴの日本人おばちゃんで有名かもね。 まちこちゃん 今日も機嫌よく元気よく過ごしましょうね。またね~!♪
Posted by ユッキー at 2014年11月07日 07:42
そっか、ローイクラトンでしたね。
恋人のいる若者にとって一年で一番大事な日。

若かりし日は毎年のように違う女の子とクラトンを流しに行ったものです。いまは大病を抱え日本で遠い昔を偲んでいます。
日本ではハロウィンという西洋のお盆みたいな祭りを、一週間前に仮装した若者が遅くまで馬鹿騒ぎを繰り広げていました。

天空を埋め尽くすほどの気球が浮かぶチェンマイの夜空、もう一度この目でみたいものです。
ハロウィンが好きな日本の若者はピーターコーンに行ってもらいたいもんだ。
Posted by カオヤイ at 2014年11月07日 14:58
そうですよね~。川の神様に感謝するなら、カトンなんか流さないでみんなで川掃除とかするほうが理にかなっているような。

最近はコムローイも危ない(火事になる)から禁止だと言われていますが、うちのあたりのような住宅密集地でも競って上げてます。
Posted by C&Y TRADING.COMC&Y TRADING.COM at 2014年11月09日 17:19
バナナといえど川にとっては有害なごみですね。
コムローイは空から降ってくるゴミですか。
日本の花火大会の後のゴミもすごいですけど。
Posted by 隠密老人 at 2014年11月10日 06:05
ユッキーさん、こんばんは。
返事遅れてすみません。
ここタイでも日本のエコ生活を貫いていらっしゃるなんて、素晴らしいです。
私は、まあストローとか要らない物は返しますが、袋はそのまま入れてもらってます。まあ、一緒に入れられるものは、「一緒にここに入れて。」とかって言って、少しは無駄を省きますが。
ユッキーさんのコメントにはいつも元気を頂いてます。
朝から、ご機嫌なコメントありがとうございます。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月12日 02:08
カオヤイさん、こんばんは。
お身体の調子はいかがですか?
また、タイに来られるように頑張ってくださいね。
ところで、「若かりし日」のお話、すごいですね。
そんな思い出があって羨ましい限りです。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月12日 02:10
NAPPYさん、こんばんは。
コムローイですか…。
そちらのムウバーンのような場所では、本当に危ないでしょうね。
住宅の密集度が違いますよね、田舎とは。
こちらも落ちて来たら危なそうですが、農耕地や森なんかの方が圧倒的に多いですからね。
家に落ちて来て家事になった…なんて言ったら、余程運が悪かったってことですよね。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月12日 02:14
隠密老人さん、こんばんは。
そうですよね。バナナだって大量に流せば(捨てれば)川の流れが悪くなりますよね。
日本の花火大会の後もすごいですか?
でも、美化センターなどの人が掃除されるのでは?
タイも、大きなパレードがあった後などには、テサバーンの回収車が回って掃除してますが、結構適当で、あまりきれいになってない気がします。
Posted by バットニャオ@第二期バットニャオ@第二期 at 2014年11月12日 02:19
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